エンロン社の犯罪


同社は、、急成長を果たしたが、2001年12月 2日、会社更生の手続きに入り破綻した。負債総額は400億ドル、米国の史上最大の会社破産となった。一時は770億ドルだったエンロン社の資産は、わずか5億ドルに下落したのである。


エンロン社の数々ある社会的な犯罪の内,主なものを列挙すると下記のようになる。


インサイダー取引

エンロン社の経営悪化に際し、レイ会長以下経営陣29名が自社株を売りぬけ、その総額11億ドルの売却はエンロン株の暴落につながった。


エンロン社の脱税 

エンロン社は近時の4年間は、全く税金を払わず、しかも、未曾有の利益を上げた2000年度には、2億7,800万ドルの税の還付を受け、タックスヘブンの900近い子会社に利益を隠した。その多くはダミイ会社であった。


粉飾決算 

2000年に入り、米国ではIT不況が始まった。エンロン社の通信事業の損失が拡大し、発電や水道部門に巨額の投資を行ってきたが、これらも赤字を記録した。しかしその他にも関連会社の簿外赤字もあって最終的には130億ドルを上回る損失を出していた。然しそれらは破綻に至まで隠蔽されていた。


④会計経理会社の不正 

エンロン社の会計監査を担当していたのは、世界最大の監査法人であるアーサー・アンダーセン会計会社であった。然し、エンロン社と共謀して、簿外の巨額の債務を見逃し、重要資料の破棄をいう重大な違法行為を犯した。


⑤海外での犯罪 

エンロン社は41カ国に進出していた。
そのうち主な犯罪行為は、インドでは発電所建設計画を巡って、反対運動に警察力を使い弾圧させた。
ボリビアでは石油パイプラインから大量の原油をデサグアデロ川に流出させた。
その他政府の資金援助制度(OPIC)詐取、世界貿易機構(WTO)への違法な圧力を加えた、等々。



(写真は路傍の花)