2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

回想

そんな事から、自分でも、「忘れてしまいたい」と思いつつも、一瞬も脳裏から去らない「8年前の過去の事」を思い出している。全く自分の不手際としか言いようがない事だったが、それにしても妻や子供達にその事で迷惑をかけ、誠に残念な事、と慙愧に耐えな…

桜前線

「戻り寒」とでも言うのか、桜の蕾が折角芽を出しそうだったのに、又、縮(ち)じかんでしまったようで、今年も東京の桜の開花は来週になりそうだ。 でも、歩道越しに見える他所のお庭の草花も色とりどりに綺麗な花を咲かせていて「春だなー」、の実感がする…

今、官僚組織

あれから、60年にもなる今現在、官僚組織は、かっての軍部の組織をそのままに、傘下に特殊法人・財団・研究所等を次々に設立・擁立して肥大化と権限拡充に狂奔し、結果、国民の財源負担は国をも滅亡の淵に立たせるまでに膨張してしまった。 陸軍と海軍が反目…

組織本能

その事が又「因」となり「果」となって行く、事件の隠蔽結果が、更なる組織の弛緩と紊乱を招き、同時にそれが政治の混乱と右翼勢力の跋扈を引き起こした。昭和初期に相次いだ「5・15事件」、「2・26事件」、「3月事件」、「10月事件」等は軍内部と右翼と…

組織の自己増殖

組織には自己増殖本能がある、これは洋の東西を問わず組織には付き物といわれる。イギリスの政治・社会学者が調査研究して実証している「パーキンソンの法則」と言われるものである。然し、戦前の日本軍の肥大化の実態は、正にその法則を世界に実証したよう…

政治に「世襲制のない」国

幕末の志士勝海舟が咸臨丸でアメリカへ行って「日米通商友好条約」批准し、上帰国して、同志達と話しながら異句同音で感心したのは「アメリカでは政治家の世襲制がない」ことであった、「アメリカは素晴らしい国だ」同志たち一同「頓悟」したと言う。勿論「…

貴族政治

現在「貴族」制度はない、然し世襲政治家が実質的にその地位を継いでいるように見える、二世・三世議員が親代々の資産と地位を受け継ぎ、国の政治を壟断しているのではあるまいか。彼等に「命がけ」を求める事は至難で、元々底辺に苦吟する庶民の生活は判る…

世論なるもの

近衛氏なりに冷静に判断されているのだが、最後の下りで「世論」に反発されているのが印象に残る。在職中は圧倒的に「世論」は近衛氏を支持していたのである。当時の「世論」とは主に新聞を指しているのだろうが、現代ではさしあたり「テレビ」がその役割を…

近衛氏が遺したこと

近衛氏は遺書を残している、その中で氏は「僕は支那事変以降多くの政治的過誤を犯した、之に対して深く責任を感じているが、(中略)責任を感ずればこそこの事変解決を最大の使命とした。そしてこの解決の唯一の道は米国との諒解にありとの結論に達し日米交渉…

国のリーダー

孫子は二千五百年前に「兵法」の中で「指導者として具備すべきは、冷静な智力、信頼、思いやり、勇気、厳格さである」、としている。 昭和初年の「宰相像」はどうだったのだろうか。このような問題を考える際に、どうしても「第三者的立場」に立たないと物が…

「将とは、智・信・仁・勇・厳なり」

(指導者として具備すべきは、冷静な智力、信頼、思いやり、勇気、厳格さである) このシリーズで、下記の書籍を参考にさせて頂きました。中村隆英著 「昭和史1・2」 東洋経済新報社刊 猪瀬直樹監修 「目撃者が語る昭和史太平洋戦争①」新人物往来社刊 森山…

官僚制度

日本では旧軍隊の悪しき制度が「官僚制」の中で脈々と生き続け、むしろ生き続けるだけでなく強化されつつあるように思う。 司馬遼太郎さんが、昭和時代は「魔法使いが日本という森に魔法を掛け【魔法の森】にしたのではないか」、と仰っているのだが、「魔法…

「秀才」で良いのか

昨日の稿で、日本の敗戦時に重要な役割を果たした3人の方を見たのであるが、彼らは確かに優秀であった事には相違ないだろうと思う、然し、彼等には「自分こそ選ばれているのだ」と言う、思い上がりと言うか「優秀だ」と言う自意識が過剰で、結果的には暴走し…

指導者とは

勿論、社会に出てから、その「要領の良さ」も大事な場合もあるが、指導者としてそれだけでは不十分と言わねばならない。指導者には人間としての広い視野、部下への包容力、洞察力、正義感、道義感等々、本質的な人間的素養が大事だと思うのだ、一片の試験制…

記憶力勝負

そもそもその「暗記力」というのは一種の技術、テクニカルなものではないかと思っている、今はあるのかどうか知らないが、昔、旺文社から出ていた「傾向と対策」と言う本があって受験生には重宝がられていたものだが、多分、今の社会はもっと専門的になって…

出世コース

昨日まで見たように、昔の軍部も今の官僚も組織の上では全く変わってはいない。「キャリア組」と「ノンキャリ組」は、日頃、「ジェット機」と「鈍行列車」に例えられたりする。その違いは出身学校と、国家試験に合格したかどうかで決まる。 出身学校や国家試…

「将軍の事は静にして以って幽に、正にして以って治なり」

(将として努力すべきは冷静沈着、奥ゆかしさで、しかもけじめをわきまえる事だ) (写真は東京・本郷の東大赤門)

「ペーパーテスト」

これら3人に代表される昭和の「秀才」を選抜し特権の地位を与え「印籠」を持たせたのが「陸大試験」「高等文官試験」「外交官試験」等に見られる「エリート選抜制度」である。 そしてその制度が今の社会でも益々定着し、「ペーパーテスト」による「試験社会…

「秀才」の共通性

これら3人に共通するのは「己自身」と、「自分の考え」に対する確信だったろうと思う、3人共、満州の建国に注力し、その勢いで対米戦争を推進した。秀才特有の自信である。三者とも天皇の戦争回避の意向を受けた近衛に逆らってまで強硬論の先頭に立ち、戦争…

日米開戦への推進者

昔の軍隊もそのようだった、敗戦時の総理大臣としてA級戦犯となり「極東軍事裁判」で、有罪の判決を受けた東条英機氏は、陸士、陸大卒業後、関東軍参謀長に就いた、典型的な「キャリア組」であった。第二次近衛内閣で陸相に就き、主戦論で近衛首相と意見の…

軍・官「キャリア組」

既に見た通り、日本の官僚組織では「キャリア組」は「上級職国家公務員試験」に合格した時点から「ノンキャリ組」とは違う別の路線を走り昇進する。百メーター競争で言えば、一般職がスタートラインから走り出すのに「キャリア組」は90メーター先から走り…

「木石の性は、安ければ静かに、危うければ動く」

(木石は置かれた状態が安定していれば静止いるが、不安定になると動く) (写真は東京・目黒、防衛研究所内の「資料館」、戦時中の史料が展示されている)

自衛隊

この軍組織は現在の自衛隊にも同じように採用されている、但し名称は旧軍隊とは違い下記の名称となっている。 下の方から、三士・二士・一士、2段目が三曹・二曹・一曹、3段目には三佐・二佐・一佐、最上段に三将・二将・一将となる、「一将功なり」の一将…

軍の組織

組織との関係はどのようになっているかを見ると、下記のようになる。各3単位が集まって次の集団を構成する、例示すれば、3中隊で1大隊を、3連隊で1師団を構成する、(兵員数は概数である、尚、単位長の階級は標準的のもの、又、班を置かない場合もある…

軍隊の階級

軍隊の階級はどのようになっているのか、旧陸軍で見てみる。 一般の召集で入隊すると最下級二等兵から始って、年数を重ね、順次下記のように上位に上る。 二等兵、一等兵、上等兵、兵長、(ここまでが一般に「兵」と呼ばれる)、 伍長、軍曹、曹長 (以上が「下…

「勢(いきおい)とは利に因(よ)りて権を制するなり」

(勢いと言うのは合理的判断で、臨機応変の対応で生れるものだ) (写真は東京・市谷の防衛庁―戦時中は、「参謀本部」・「大本営」があった)

官僚組織

官僚の最大の関心事は「人事」なのだ、OBの送り先を考え、処遇(役職地位)・待遇(年俸手当・勤務時間等)を人事担当官が事前に送り先と交渉に当る、来る本人はそれに従うだけなのである。 ところで、官僚には上級職国家公務員試験を受けて合格した「キャリア…

昭和「魔法の森の時代」

今まで「昭和の戦争時代」を振り返って、自分なりに検証をしてみた。司馬遼太郎氏が言う通り、昭和時代は「魔法使いが日本という森に魔法を掛け【魔法の森】にしたのではないか」(司馬遼太郎著「昭和と言う国家」から、NHK出版) 氏の言葉を借りるまでも…

歴史から学ぶ

「歴史から学ぶ」ことは必要な事だと思う。これは中国や韓国から言われるまでもない事だ、でないと先の大戦で犠牲になった多くの人達に対し「あなた達の死は無駄でした」と、言うに等しい。それに、残った自分達としても次の世代に対して「中継者」としての…

「天を知り地を知れば、勝、乃(すなわ)ち全かる可し」

(時の流れと、変化に対応する者だけが勝ち残れる)(写真は日比谷公園の噴水)