組織の自己増殖

okamakoto2005-03-30



組織には自己増殖本能がある、これは洋の東西を問わず組織には付き物といわれる。イギリスの政治・社会学者が調査研究して実証している「パーキンソンの法則」と言われるものである。然し、戦前の日本軍の肥大化の実態は、正にその法則を世界に実証したようなものであった。


第一次世界大戦の反省から、大国間で「軍縮」の必要性が合意されて、大正の末期、ワシントン会議での軍縮、続いて昭和初期(5年)のロンドン会議での軍縮と相次いだのであるが、その実施段階で、不満のエネルギーが軍内部に蓄積され、折からの不況が点火剤となってこの時期各種の事件が続発した。


それらの事件は一見偶発的に見えて、実際は根幹部分では連動し合っている、これはもう一方の力学「組織防衛本能」「権力の拡大指向」がそうさせたのである。既に見たように「満州事変」は関東軍と言う軍の一出先機関が勝手に起こした事件ではあったが、組織の持つ「自己防衛本能」と「権限の拡大本能」がその事態を「容認」し「追認」し「既成事実化」してしまった。