記憶力勝負


そもそもその「暗記力」というのは一種の技術、テクニカルなものではないかと思っている、今はあるのかどうか知らないが、昔、旺文社から出ていた「傾向と対策」と言う本があって受験生には重宝がられていたものだが、多分、今の社会はもっと専門的になっていて、目的別の「傾向と対策」が作られているに違いない。


例えばその為家庭教師まで雇うのかもしれない、既述したように「選抜試験」である以上出題は画一的にならざるを得ないわけで、その回答は「テクニカル習得度次第」、と言うことである。言ってみれば「要領の良い」人間が合格するものだということである。


ジェット機に乗ってしまえば、後は「エスカレーター」で自動的に上の方に運ばれるのだから、親も本人も家族ぐるみで「ジェット機の切符」を獲得すべく、時間と費用を掛けて努力をする、


大体この頃の学校教育は「入学」や、「就職」を「人生の最終目標」にしているようにさえ思う、尤も、その問題を考え出すと、現代日本の抱える根源的な教育問題に突き当るので、その事は何れ他日に譲る事とし、ここでは社会人になる時点からの問題点だけを見ることにしたい。