官僚組織


官僚の最大の関心事は「人事」なのだ、OBの送り先を考え、処遇(役職地位)・待遇(年俸手当・勤務時間等)を人事担当官が事前に送り先と交渉に当る、来る本人はそれに従うだけなのである。


ところで、官僚には上級職国家公務員試験を受けて合格した「キャリア組」と、そうでない「ノンキャリア組」とあり、それは全く違う階級なのである。高卒や普通の大卒の「ノンキャリア組」は良く行って「本省の課長補佐止まり」にしかなれない、地方に出ても、せいぜい「部長クラス」だろう。


「キャリア組」は「出世の免許証」が与えられている。だからと言って全員が出世できる訳ではないが、先ず「上級職国家公務員試験の成績順」が何時までも(一生)着いてまわる。成績の良い人間が「重要ポスト」に着く。東大卒は又別格である、1−2年も勤めてから、一旦地方に出される、その時、直ぐに地方の「課長」(又は同クラスの肩書き)に就く。


3−4年で本省に戻り、「課長」になり同僚との「出世競争レース」に参加する。戻るのは全部とも限らない、地方で「ミス」をしたり、余りにも評判が悪いと回される所が違ってくる。尤も「ミス」と言っても「手柄になるミス」もある、立場上で責任をとった場合等である。


然しここで一般企業と違うのは、先ず「キャリア」の仕事は「部下を指揮し使う事」であって、仕事は部下がやるものである。キャリアは実務の方は知らなくても勤まるし(その責任はとるにしても)実際の仕事の実務は部下の「ノンキャリ」が総てやってくれるのである、従って「ノンキャリ」の「係長クラス」が実際の事務に精通している。


さて、「大学入学」も試験なら、「上級職国家公務員」になるのも「試験」である、後者には面接もある由だが、「ペーパーテスト」が基本にある。この「ペーパーテスト成績」の「良し悪し」の問題と、軍隊組織については引き続き考える事にしたい。