近衛氏が遺したこと


近衛氏は遺書を残している、その中で氏は「僕は支那事変以降多くの政治的過誤を犯した、之に対して深く責任を感じているが、(中略)責任を感ずればこそこの事変解決を最大の使命とした。そしてこの解決の唯一の道は米国との諒解にありとの結論に達し日米交渉に全力を尽したのである。(中略)


僕の志は知る人ぞ知る。戦争に伴う興奮と激情と勝てる者の行き過ぎた増長と敗れた者の過度の卑屈と故意の中傷と誤解に基ずく流言飛語とこれら世論なるものも、何時か冷静さを取り戻し、正常に服する時も来よう。是の時始めて神の法廷において正義の判決が下されよう。」