赤字国債


昭和40年の戦後初の赤字国債発行時、禁じ手を破る口実(辻褄を合わせるため)として、政府は「財政処理特別措置法」を国会に提出し、1月19日の国会審議の末立法させている。


要するに「今回は特殊の事情があって赤字国債を出すが、これは見通しがあって、今年度中に必ず解消出来る特別なものだから、今回だけは認めて下さい」と、主権者の国民にお願いし、約束したものである。


ところがその後、その際の赤字国債発行が前例となり、国債発行は返済されないまま、累増してしまった。因みに小泉政権下、平成17年、新規発行国債は34兆円余、赤字国債残高は285兆7千億と天文学的数字に膨れ上がてしまった。勿論毎年「財政処理特別措置法」が国会で審議され「合法的」に増えて行っているのである。


国のルールを決める「立法府」は国の道徳の頂点に立つものである、だからこそ最も「規律が求められる場」である。政治に自己規制が利かなくなっては国が乱れる元となる。今から40年前、1965年11月、田中大蔵大臣の時に、この国の「財政の乱れ」が始ったのである。