敗戦後の天皇

okamakoto2005-11-18



率直なところ、現在のように日本人に「道徳観念」が欠如し、「責任感や、けじめ」のない国になった大きな要因として、「国家のトップ」が敗戦後の自らの「出処進退」を回避して来た事が大きいと感じている。


「宣戦布告書」にご署名もされ、「そのお方の為」として、何百万人もの人が命を落としたと言うのに、生涯その地位から引退もされずに座り続けられた事が、その後、如何に日本人の「道義観」に悪影響を及ぼした事か。


確かに天皇ご自身が引退され譲位されるにしては敗戦時、皇太子は未だ12歳未満、(12月23日にて満12歳)、座を譲るにしては未だ「未熟」だと思われたかもしれない。


然し、数年経った昭和26年「講和条約」の年には、既に皇太子は18歳に達していた。翌年にはその講和条約発効で日本は対外的には「独立」を果たしたのである。


まして前例を重んじる皇室の事、歴代天皇で地位を「譲位」された事例は過去幾例もある(後水尾天皇の後の、第109代明正天皇の如く7才の女帝の例さえもある)。


日本が独立を果たした昭和26年、その当時、社会の状況はどうだったか、(自分が社会人になった年だが)、ようやく敗戦の傷跡も癒えて日本人殆どが毎日「働きバチ」として無我夢中であった。


その甲斐あって、日々の生活状況も安定を見、それが証拠にこの年NHKテレビは実験放送から本格的放送へ、翌年には国会からの中継放送も始められている。