昭和天皇の道義的責任
「陛下は一国の元首として,このたびの戦争敗戦の責任を,先ず第一の責任者としてお執りにならなければならない」
「陛下は軍の横行を許して、多年、策を施し賜わざる怠慢の責任もおありである」「今日、国民の道義の退廃は,識者の誰しもが例外なく皆が指摘して,慨嘆しているところである。」
「然しながら,これを救うの途は,事をして此処に至らしめた最高の責任者が,きっぱりと己が身に責任をおとりになる事である。」
「この際、人の当然になすべきところを,自ら範を示し賜うて,以って人心を鼓舞される以外、方策はない」「陛下は,事情の許す限り速やかにご退位されるになるがよろしい,と思料する」
以上は詩人の三好達治氏の「新潮1946年6月号」「なつかしい日本」で記載の所論(大要)である。
又、先にも記したが東大総長南原繁氏・京都大学教授憲法学者佐々木惣一氏、更には元学習院院長安倍能成氏、作家の山本有三氏、評論家松本重治氏も1946年12月の貴族院で「天皇は道義的責任を負って退位なさるべきだ」と述べている。
然しながら,当時の政府もこの論に組しなかったし,GHQも(既述の通り)天皇を日本「占領政策に利用」する事にし「象徴天皇制」を取る方針とした。