「アメリカナイズ下」の企業実態


先ず株高の基本になっている日本の企業業績だが、今の「業績好調」の基本には日本企業の「利益最優先」の経営がある。


その為、大企業主体に、大掛かりな「原価低減(コスト減らし)」策が実施され、下請けへのコスト転嫁及び「リストラ」と言う名の「人員合理化」の嵐が吹き荒れ、その「経営効果」が大きく効いている。


過去2−3年企業は、利益体質に転換すべく、下請け苛めと、正社員をギリギリまで削減、時間給・パート・派遣社員でコスト圧縮経営に徹して来たのである。


従前ならば「社員首切り」は経営者の最も「忌むべき恥」の事態だった、「終身雇用」が経営の根底にあって、社員・下請け共に「一家意識」で「労使協調」が据えられていた。


然しアメリカ的思考と、資本力によるM&A(買収・合併)手法が日本にも入り込み、当然視される風潮が一般化し、日本的経営は一蹴され、一顧だにされぬまでになった。


IT産業で僅か数年しか経たない若い企業が、泡のように膨らんだ自社の株価に物をいわせ、営々と数十年掛かって築き上げた企業を飲み込もうとする。


そのような「下克上(げこくじょう)世界」が、日本の政治・経済・社会全般にみなぎり覆うまでになった。



(写真は東京タワー内の「経済館」一風景)