バクチ社会

okamakoto2006-06-01



「楽しい・学べる・得をする」、これは或るネット証券会社の宣伝文句だ、今まで株とか証券とは無縁だった堅実な家庭の奥さん、若者達、素人(しろうと)を目当てにした誘引キャッチコピーであるのは間違いない。


「株をやらずば時代に遅れをとる」とばかり、今まで株には全く無縁の大衆参加で、東証商いは連日大賑わい、大量発注でシステムダウンも繰り返し機能不全に陥るまでに、その背景とは一体何だろう。


「ヘソクリ」を銀行に預けても金利もつかず「タダ同然」、テレビで朝から晩まで儲けた話、設けの手法も念入りに、首相自ら成金長者を誉めそやす、「株をやらずば人にあらず」と。


若者勿論、善良な家庭の主婦まで、その気になって、慣れない手つきでパソコン操作、最初はおっかなびっくり、ヘソクリ程度、それが多少儲けが出りゃ止められない。


魔法の箱(PC)は、居間に居ながら売ったり買ったり自由自在、家族や他人(ひと)にも知れず相場が張れる、まして「信用取引」「元手の3倍」、「決済半年後」と載り易い。


銀行出し入れ思いのままで、居間に居ながら相場が張れりゃ、段々気持ちも大きくなって、取引額も増えていく、のめり込むのもこれまた速い、「七欲世界」は人の常。


「シコシコ」現物やってる内はまだ良いが、誰しも夢も希望も欲もある、信用取引手を出すと、損する額も桁違い、「追証」迫られ「元も子もなくなる」それがオチ。


コツコツ貯めた子供の貯金、夫に内緒でつぎ込んだ金も「雲消霧散」まだ良い方で、後に残るは債鬼の山、誘った政治を恨んでみても、「自己責任」と言われそう、誘いに乗った自分も悪い、これが「バクチ」の怖いとこ。


元々証券相場は狡知に長けたアングロサクソン「ハゲタカ猟場」、「欧米巨大ファンド株屋と手を組み」、相場を上げて主婦や大衆を誘い込み、大損背負わせ「さっさ」と逃げていく。



(写真は東京の路傍、6月「アジサイ」の花)