身近な悲劇


実は自分の実姉も5年前のこの10月に北陸の地方都市交差点で交通事故に遭い、不慮の死を遂げている、雨の秋の寒い夕刻、運転していたのは未だ二十代初めの若い勤め帰りのOLだった。


姉は意識不明のまま一週間後に病院で亡くなったのだが、その時病院に毎日駆けつけて来て、床に頭を摩り付け、泣き崩れ、日々やせ細っていく本人と両親の痛々しい姿を見るにつけて、悲劇と言うのは一方だけではないと痛感した。


地方の交通事情は近年自動車が主体になってしまった、特に列車・バス等の公共交通機関の衰退が顕著なのだ、列車は2時間に1本、バスに至っては日に3―4本と言う路線が多い。地方では既に自家用自動車が不可欠な存在となっているのだ。


このように狭いこの国でやたら車を増やし、「車社会」にしてしまった誤りをこそ問題視せねばならない。高齢化社会となって、この問題は逐年地方では深刻な事とならざるを得ないと思っているのだ。