「規制撤廃」が追い風


入院中の身近な「交通事故」の「加害・被害者」双方の悲惨な状況を見聞きした矢先、かねてから懸念していた長距離貸切「バス事故」が起きた。


スキー客を乗せた長野県の乗合バスが橋脚に激突して27人の死傷者が出たと言うのだ、バス事業者(バス会社)は、所謂「父ちゃん・母ちゃん運送業者」であった。


「父ちゃん・母ちゃん運送業者」とは、規模の小さい家族でのタクシーやバス業者、専業業者ではとても成り立たないダンピング格安料金で請負い、家族でハンドルを握って運送業に進出するケースである。


以前「認可制」時代ではとても考えられもしない事態である、案の定、運転手は連日連夜の勤務で睡魔に襲われた過労運転が事故原因と言う、一瞬のハンドル操作を誤ったようだ。


日本の政治目標として華々しい「勝ち組み」の経済や産業指数で語られる事が多い反面、弱者への視点は欠落しているように思う。


弱者擁護の規制が順次撤廃・緩和され、雇用形態も多様化を余儀なくされ働く者達への安全管理も不十分な中で一体この社会はこの先どのような方向へ向うのだろうか。



(写真は伊豆半島下田沖海岸)