暗くなってしまった日本人−④

okamakoto2005-01-11

さて、自分の体験ながら、「日本の本当の動きは日本に居ては解らない」「日本の事は外に出てみて初めて判る」のではあるまいか。


少し遡るがトルコへ行く前、昨年5月に、これも10日間の安い団体ツアーで北欧旅行で日本を留守にし、その間全く日本国内のニュースには接しなかった。帰国便待ちで、コペンハーゲン空港待合室に「朝日新聞ヨーロッパ版」が置いてあって、久々に見る懐かしい日本語の新聞をむさぼり読むうち、仰天してしまった。


当時「年金」−中でも国会議員の「年金未納問題」が大問題になっていて、福田さんがその事で「先鞭をつけ」辞めた事までは知っていたのだが、ところが久々に見た懐かしい日本の22日付け記事トップは「小泉氏訪朝、日朝首脳会談「8人同時帰国が最優先」が白抜き黒べた記事で躍っていて、問題は記事中に「民主党の菅代表が未納で辞め」て、更に驚いた事に政府・与党の「小泉首相本人も、与党公明党の幹部も未納だった」とある。


たった旅行中の10日間の間に何故こんな「理不尽な事があったのか」。首相の「未納問題」等は片隅の記事の中で知らされて、見出しは専ら「北朝鮮小泉訪朝問題」に終始している。正直狐につまされた思いであった。日本国内で何がその間あったのか解らないが、こんな「論理的に理解出来ない事」もないものだ、と痛切に感じた。(帰国後その間の事について色々聞いてみたのだが、納得できる説明には遂に出会うことが出来てない)


本来なら、前回総選挙で民主党が総得票数で1位だったのだし、政権交代があって当然だったのに、公明党自民党に肩入れをし、その結果として自公連立を組んで政権が延命を果たした格好になっている。私はここでその是非を言いたいのではない、ただ民主主義国家は「政権交代があって初めて民主主義国家」と言える、と思っている。半世紀以上に亘って「一党独裁」がまかり通っている事その事自体、民主主義国家であれば他国に例がないのではあるまいか。今回トルコへ行ってみて、「政権交代」して「長年のインフレに終止符を打ち」デノミも実行された。


トルコはどのホテルでも大体チャンネルをひねれば30−40の国内外の放送があって、中にはイギリスのBBCや、アメリカCNN,アラブのアルジャジーラ等もあった。驚いた事に日本のNHK/BS放送も受信が出来、偶々だろうか、トップニュースで日本のどこかで放火や少女殺人事件があって、それが「どうしたこうした」の類−。それもご丁寧に英語放送なのである。たぶん国内放送の焼き直しなのだろうが、わざわざ海外へ向けて「変質者の変な一事件」をトップに持ってきて長々と(それこそ犯人のプライバシーに関する事まで)報道する事ないじゃないか、と思った。


日本のニュース報道は三面記事や地方版の事件物を仰々しく報道しているだけで、政治の経過や、その掘り下げた解説等は殆どない、と言ってよいのではないか。従って視聴者は世界や政治の肝心な事には目が向かなくなっているのではあるまいか。