スウエーデンにみる⑥ 投票率

okamakoto2005-02-01

「民主主義」は「投票」を通して国民の意思を汲み上げ、それに基づいて政策を遂行する事である。従って選挙における「投票率」は「民主主義成熟度」のバロメーターと言えるものなのだろう。
下表は、スウエーデンと我国との国政選挙の投票率推移を比較したものである。(毎回の投票率を「棒グラフ」にすると最も解り易いのだが、一定期間の投票率の平均値を算出して比較する事とした。両国の傾向値にご注目願いたい)

             スウエーデンと日本の国政選挙投票率推移表(%)
  期間 SW選挙回数 SW投票率 日本投票回数  日本投票率    
1921−1936   5    58.2     −         −
1940−1959   7    75.6      7      73.8 
1960−1979   7    88.6      7           71.5
1980−1998   6    87.0      6          69.0
2000- 2004      1    81.0         3            61.1 

(註①)スウエーデン(SW)は1921年投票率54.2%を初回として2002年(投票率81.0%)まで25回の国政選挙投票率の数値である(同国は任期4年間、原則解散はない)。
(註②)日本は戦後昭和21年4月(1946年)第1回衆議院選挙から、平成15年11月まで22回の衆議院選挙があり、地方区投票率の各期間平均値である。(平成8年より小選挙区比例代表制度採用)


1.スウエーデンの投票率は、1924年の53.0%を最低として逐年上昇し1976年91.7%を頂点として、以降横  ばい乃至はやや下降気味に推移している。然し依然として80%台はキープし続けている。
2.日本の投票率は戦後21年に72.08%でスタートし、昭和33年(58年)76.99%を記録したものの、以降下降  線を辿り、スウエーデンとは対照的傾向にある。尚、投票率50%はごく近年の平成8年59.65%一昨年平  成15年選挙の59.86%と過去最低を記録している。60%台は6回、70%台は14回となっている。
3.日本は若い年齢層の投票率が低い
  総務省中央選管集計の平成12年衆議院選挙年齢別投票率調べ(抽出)によると最も投票率の高いのが65−  69歳、最も低いのが20−24歳(男子33%・女子37%)となっている。(調査時の全国平均投票率63.96%)。


スウエーデンの選挙権は18歳以上である。
約30年前の1976年の法改正でそのように変わったのだが、単に「投票権」があるだけではない、「被選挙権」も同時に認めたそうだから18歳になれば「政治の場」にも立てるのである。家庭や学校教の中でも政治は正に教育そのものとなっているそうだ。投票日には「若い者は寝ててくれたら良い」と言う国とは大違い。
 
それにしても日本の20代のほぼ6割の若者が選挙に無関心なのはどうしてなのだろう。次代を担う若い世代が何故投票所に背を向けるのだろうか。(この件では何れ自分なりに取り上げてみたい、と思っている)