スウエーデンに見る ⑦議会と選挙

okamakoto2005-02-02

スウエーデンの議会と選挙
この国の議会は35年前までは2院制だったが1970年の統治法改正で一院制議員定数349人となり、議員の任期は4年となった。選挙区は全国を29の選挙区とした「中選挙区名簿式比例代表制」をとっている。
何故、半端な349人なのか、誰しも疑問を持つところだが、それ以前の2院制を合体する際に、大幅な議員数の削減を計り350人としてスタートしたのだ、と言う。ところがその後、法案の賛否が全く同数となった経緯があり、可否同数の際「議長が判断」するのは「非民主的」だ、との議論があった末、結果的に当時の与党が自党の1名を自ら減らして、以降議員定数は奇数になっていると言う。


然し、これからがスウエーデンらしい考え方だ。349人全部を選挙区に割り当てているのではない。選挙区議員は310人のみとし、残りの39議席は、党派別獲得票の上位から順次票数に応じて議席を配分すると言う。その際に「4%規定」があって政党として全国で4%以上の得票を得ないと「配分対象」とならない規定を設けている、政党の少数乱立を避ける知恵である。然しそれでも全国で4%の得票数がなくても地域によっては支持する場合もあり得る、その場合はその地域で12%の得票のあった党には自動的に1議席を配分する規定もある、と言うのだ。


各選挙区定員の310名についても4年毎の選挙に併せ人口に応じた議席数の再配分が行われる。票数格差は常に最小化される仕組みを持っているのである。勿論議員となるには政党内での議論を尽くし、夫々の政党を代表するに相応しい能力・識見もある人物と認められて初めて名簿記載される。


国政選挙に参加した政党には国から政党補助金と事務局補助が支出される。政党助成金は前回選挙時議席数によって計算されるが、野党へ追加補助は与党議員一人当り金額に、ほぼ倍する計算で算出される。地方自治体もほぼ同じ制度になっている由だ。勿論「金権選挙」などあろう筈もない。


選挙投票権は、既に述べたように18歳以上であるが外国人であろうが一定期間居住している人は国籍に関係なく選挙権もある。国政選挙は地方選挙と同時に実施され、投票日も予め決まっていると言う。次回選挙は2006年9月17日(4年後の9月第3日曜日)となる由。外国在住のスウエーデン人、仕事で航海中の投票権のある人にも投票出来るよう「郵便投票制度」もあって、「期日前投票制度」は老人・病気人・入院中の人は勿論、入獄している人までもそれを利用出来る、と言う。