スウエーデンに見る ⑨ 政治家・王室

okamakoto2005-02-04

政治家は職業でない

先般ストックホルム市庁舎で「議会議場」を見る機会があった。広い議場の2階部分は傍聴席になっていて優に何百人かは座れる座席が用意され市民は何時でも傍聴出来るのだと言う。議会は毎回夕方4時から開催されると言う。何故かと聞くと「議員は職業ではありません、昼間働いていて仕事が終わってから議会に出て討論する、皆さん市民の代表として誇りを持ってやっています」、「給料制ではない、議員が議会に出た時の時間に応じて時間給で計算して支払っているのです」と言う。


「政治は一般国民の目線で見ないと、庶民感覚と遊離するからだ」と現地案内の方が「さも当然」と言った口ぶりだった。「政治は職業としてやるものではない」この考え方には感心すると共に考えさせられた。政治家は政策決定の過程で自分の考えを持ち、それを党のものにし国政にも反映させる事もあるが、逆に一般庶民の考えを吸い上げ党、国政に上げて行くのが民主主義のルールなのだろう。


王様の頭上を歩く

さて、王室についてである。「王様の頭の上を歩いてきた」と言うと冗談のように聞こえるだろうが、事実なのである。現国王カール16世は日常メーラレン湖に面した3階建て「ドロットニングホルム宮殿」の2階部分に居住されている。建て物は延べ部屋数が200室余もある由だが3階部分は、以前には舞踏会や宴会に使っていたそうだが、今は一般国民は勿論、観光客にも公開されている。.我々はその3階の中を一巡して見学して来たのだが、正にこの自分の足の下、2階に王様が住んでいると聞いて吃驚したものだ。3階から広大な庭の眺めは素晴らしいもので王様よりも広角でそれを眺めた事になる。(写真はドロットニング宮殿と庭)


国王カール16世は、この宮殿から毎日マイカーを自分で運転して、約10k離れている王宮まで通勤しているのだと言う。そう言えばこの前―昨年5月15日にコペンハーゲンデンマーク王の結婚式があり、偶々我々ツアーもその風景を垣間見たのだが(日本の皇太子が式に参列していらっしゃった)北欧の王室は国民の中に溶け込んだ存在のようだ。