佐藤長期政権誕生

池田首相の後任候補として河野一郎・藤山愛一郎・佐藤栄作３氏が名乗りをあげ、総裁選出は混迷状況となった。結局、病床の「池田裁定」に持ち込まれ、氏は吉田茂元首相の勧めもあって佐藤栄作氏を裁定せざるを得なくなった。（中村隆英著「昭和の歴史」）

池田後首相に指名された佐藤栄作氏は、元首相岸信介氏の実弟である。佐藤栄作氏は、かって第４次吉田内閣の際に自民党幹事長として「造船疑獄」に関連し検察庁から逮捕請求された事があった（昭和29年２月２３日）。

然し、時の犬養健法務大臣は国会議員の不逮捕特権を理由に拒否し、佐藤幹事長は逮捕を免れた。犬養法務大臣はその後責任をとって辞任をしている。然し、その事件を境に、検察は政治家の疑惑追及には及び腰になったと言われる。