「油断 !!」


然し、田中内閣は発足後、先ず経済面で問題を抱え込む事となった。1973年(昭和48年)10月、中東で第4次中東戦争が勃発し、それを機にOPEC原油価格の一斉70%の値上げを発表した。これは世界中に大衝撃を与えた、日本へも「石油ショック」として直撃したものである。


日本では石油価格は3ヶ月の間に4倍にもなり、石油不足はトイレットペーパー騒ぎ、紙・電力不足に波及、更に狂乱物価となって、日本中が大混乱をきたした。街のネオンは消え、電車の暖房も消された。マイカーや日曜のドライブは自粛、ガソリンスタンドも日曜休業となった。新聞はページ数を減らし、テレビは夜中の放送は中止された、正に資源のない日本の「油断状態」である。