小選挙区制の現実


小選挙区制」は、当時政権復帰を目指す自民党の「起死回生の策」として実現したものだった。
政府の諮問機関「選挙制度調査会」が「政権交代可能」な制度として他党・野党にも同調する意見もあって実現にこぎつけた経緯がある。「汚職や悪事」をすると即座に選挙民が反応し、「健全な政権交代可能な政治が実現する」と言う触れ込みだった。


私事に亘るが、当時たまたまどこかの主催で選挙制度調査会委員として中心的役割の方の講演会があった。その後の立食パーテイでその先生(大学教授で委員)と立ち話の意見交換したことがあった。「自分は田舎の出身だから、小選挙区制では反って悪くなる」と言ったのに対し、その先生は「いや絶対に政権交代が起き、良くなりますよ」と胸を張られた光景が今でも記憶の中に鮮明に浮かぶ。


別に自分の意見を言い立てる積りで言っているのでは決してない。理論の上では確かに「小選挙区制度」は議員の働きに敏感に反応する、然し日本の政界、特に選挙はそんなきれい事で動いてはいない。特にしがらみの多い地方では最後の1票までも読み切れるほど「管理選挙」が行き届いてしまっている、それが実態なのだ。