日米経済戦争の転機


ニューヨークのプラザホテルで「主要5か国蔵相会議」が9月22日開かれた。出席したのはアメリカベーカー財務長官、日本竹下蔵相、フランスベレゴボア蔵相、イギリスローソン蔵相、西独シュトルテンベルク蔵相の5名であった。


議題は為替相場への主要国での協調介入の申し合わせであった、アメリカは日本の対ドル円相場が安すぎる、もっと高くしないと日本からの輸出及び資金の流れが止まらない、と言うのがその申し立ての論点であった。


日米間では、円が高くドルが安くなればアメリカは輸出しやすくなり、輸入し難くなる。日本は逆に輸出がし難くなって輸入の方が増加する。このメカニズムが働く限りに於いては経済合理性で対米輸出攻勢も抑制されて落ち着く筈だったのだが80年代以降そう単純には機能しなくなった、この際申し合わせて政策的に「ドル安、円高」にすると言うものであった。