株ブーム


その象徴的な株が、民営化を旗印にした中曽根内閣で民営化されたNTT株である。第1次売り出しが(87年2月)119万7千円であった、第2次では190万円、第3次には155万円、ピーク時には実に318万円の水準に跳ね上がっていた。


これは僅か2ヶ月余りの期間の事である。証券会社が株のブームを煽り、生保等の機関投資家個人投資家も主婦層も株屋の店頭に群がった。


当時、ひとり株価だけではなかった。不動産価格、ゴルフ会員権、絵画、総ての資産価格が右肩上がりに上昇を続けたのである。土地価格で見てみる、グラフの黒の実線は6大都市商業地価格の指数の推移である。83年の30台の指数は90年の105の指数まで略一直線で上昇曲線をたどった。