アメリカへ流れた「バブル」のカネ

okamakoto2005-06-18



2年余りに亘った低金利2.5%の公定歩合は、日本に未曾有の「金余り現象」をもたらし、実体のない評価益部分が「バブル」として膨れ上がった。


金融法人が87年からの3年間に株式市場であげた評価益は205兆円に上る。そのうちの相当部分が高金利に釣られて銀行・生保等の機関投資家・大企業等を通じてアメリカに流れて行った。


アメリカへの直接投資額は大蔵省統計だけ見ても81−85年が255ドル、86−90年までに1604ドル、91−95年1019億ドルと、この15年間だけで限ってみても2878億ドルに上る巨額のものだ。これを当時の対ドル相場を150円台として約42−45兆円に達するものである。


統計によれば、90年の邦銀の海外融資残高は2兆720億ドルと、先進25か国中でアメリカをも抜いてトップだった.殆どがアメリカに集中していたと考えられるものだ。


これをアメリカ側が仕組んだ戦略(謀略)だとすると、アメリカが基軸通貨ドルの強みを最大限に生かして、為替レートを対日貿易戦争の武器として使い、金利差を餌として日本のバブルで膨張した資金を誘引してアメリカ財政の穴埋めに充てる作戦だったとしても不思議ではない。結果的にアメリカの財政赤字はこれによって埋まったのだから。