内政干渉

okamakoto2005-06-20



日米構造協議は1989年7月のアルシュサミットで正式にブッシュ―宇野首脳会談で決まり、アメリカは周到な準備作業の上で日米構造協議に臨み、9月4−5日第1回が東京で開催され、以降第5回まで、会場は日米交互に開催されている。


この「日米構造協議」は、従来の貿易交渉等とは全く異質なものだと言わねばならない。元々が日米間の貿易不均衡が解消されないからと言って「日本の市場構造を変えねばならない」とした、アメリカの要求で開かれたものだ。


一国の国内問題を他国の前にさらけ出して、それも相手国から問題指摘を受けて日本政府がその実現を約束して行くプロセスと言うのは、果たして前例のあることなのだろうか。


幼稚園児の「手取り足取り」の教育現場を想起させる。このような事は少なくとも独立国同士であり得る事なのだろうか。


問題は「正式な協議」が終了した後にもある。「協議後」も随時に「事後点検会合」が持たれて、アメリカから「日本の諸問題」に就き「フォローアップ」と「問題提起」をされているというのである。


そこでは個別産業の問題や、輸入拡大の具体的な要求とか、アメリカの産業界の要求等が持ち出されていると言う。むしろその事の方が重大なのかもしれない。


「日米構造協議」の協議内容は明日以降、順次記すこととするが、最初にこの協議の中で、1−2問題視すべき点を下記に例示する。


(協議事項の議題としては大きく次の5項目に分類されている。更に項目内で問題毎に細分化されている、【A】、貯蓄・投資パターン、【B】、土地利用、【C】流通、【D】排他的取引慣行、【E】系列慣行、【F】価格メカニズム)


1、 協議である以上双方が対等の立場で問題点を持ち出して解決策を見出すのが常道であるのに日本側が一方的にアメリカに約束する形で進んでいる.受身の事項が多い。(勿論、アメリカ側への要望事項もあるがお座なりである。これでは日本はアメリカの従属国に等しい。)


2、 その中でも、事例として【A】公共投資基本計画を日本側で策定し91−2000年までの10ヵ年で430兆円+JR・NTT分=455兆円の公共投資アメリカに公約したこと。このことが今日の日本の財政悪化に直接影響を及ぼしている最大の要因である。


3、 協議の焦点の一つとなった【C】流通で「大店法」改正問題でアメリカの「トイザラス」進出に道を開き、以降大店法の改正で大資本大型店が郊外に大量出店した、この「規制緩和策」で、今日伝統ある商店街・小売店が軒並み閉鎖し、商店街は「ゴーストタウン化」してしまったのである。これはほんの一事例にすぎない。




(写真は東京三宅坂最高裁判所庁舎)