「不良債権」


更に、銀行の1億円の担保が半値にしか売れないとなるとどうだろうか、借入金の元金、1億円は変わらない、担保の不動産売却5千万と元金5千万で合算しても後には何も残らなくなってしまうのだ。借入金の1億円は銀行では完全な「不良債権」なのである。


「地価下落」と、銀行への「BIS規制」適用は、一挙に銀行の不良債権問題を表面化させてしまった。銀行の貸出残高は92年3月末で450兆円、大蔵省はその時点での不良債権は12兆3000億円だと発表した。


然し、95年には「約40兆円」だとし、更に、99年7月には「80兆円」と修正発表するに至る。当時、巷では実際の「不良債権」は100兆円を下るまいと言われた。