病院のあり方


ところで、4万人くらいの人口しかないこの市の総合病院内科棟で、夜勤につく看護婦さんがたった3人、器械や管に取り囲まれた病室で、一夜それを見ていてその忙しさには感心してしまった。


と同時に、スエーデンの病人対応のことを思い出した。
昨年訪問した折に、25年前と違った重大な事の一つに気付いた。


それは、病人をむやみに病院に隔離するのではなく、「住み慣れた自宅」で、「専門ヘルパー付き」で介護する方法に重点を移している、と言う変化である。


「本人の治癒努力を主体に専門ヘルパーが付いて」家族は時々「精神的ヘルプをすればよい」との考えなのだ。元々この国の医療制度は「病人は社会的に対応するのが原則」で、「家族介護」の立場はとってはいない。


勿論派遣ヘルパーは地方公務員の仕事で、女性の就業率が80−90%と高率なのも政治・教育等と同様に、この部門への女性の進出が如何に多いかと言うことである。


実は4−5年前に別の姉が交通事故で地方都市の大病院集中治療室で結局亡くなったのだが、入室の際の手続や患者との会話にも実に厳格で面倒だった。


今度の妹の場合は、看護婦さん達も、集中治療室の兄妹の励ましの声やマッサージにも理解があって、見ても見ぬ振りをしてくれた、その事が実に幸いしたように思う。