「デリバテブ手法」


エンロン社では「デリバテブ手法」(金融派生商品)で,例えば3年後の価格を幾らと予想し,それより安い発電会社と供給契約をし、片やそれよりも高い価格で需要家と供給契約を結ぶのである。


これは事業に規制撤廃の流れを取り込み、一種の「賭け」の要素を入れて、市場を一挙に拡大しょうとするものである。


「天候」とか,「ケーブル容量」,「通信回線の帯域巾」等それらをすべて「ビジネスチャンス」としてとらえ,優秀な人材やIT技術を活用した先進的なリスク管理能力を駆使して商品に組み込んでいったのである。


その間、政治力をも駆使した。エンロン社ケネス・レイ会長は以前から、ブッシュ家とは家族ぐるみの関係だった、と言われる。


ケネス・レイ会長と現ブッシュ大統領との関係は、エンロン社の設立当時からであり、エンロン社は巨大企業に成長し、ブッシュも米国大統領に上り詰めた。


ブッシュ政権誕生と同時に連邦エネルギー規制委員会委員長が更迭されて、代ってレイ会長の親友のパット・ウッドが任命された。


政権のエネルギー担当はチェィニー副大統領で、規制委員長交代により、レイ会長がかねてから要求していた「高圧送電線へのアクセス開放」もその際実現している。