マネーゲームの社会

okamakoto2005-10-15



小泉―竹中政治は「低金利政策」−と言うより「預金利子ゼロ政策」を終始続けてきた。庶民にとって預金利息は長らく全く無いに等しい。


バブル崩壊による金融機関に集約された200兆を超える膨大な損害を補填するのが当初金融当局の一つの目標だった。


もう一つの国家的目標は、双子の赤字を抱えるアメリカの金融制度と経済を支える役割―金利の低い日本から金がアメリカに流れる仕組みを維持・強化することにあった。


アメリカの財政収支は、日本からの資金流入が途絶えると途端に「ドル不信認」が表面化して、基軸通貨「ドル崩壊」は即、自由世界経済の崩壊に連なる。


金融当局の当初目標は既に1−2年前に終わってしまっている、金融機関は統合をおえて、不良債権処理も殆ど償却済み、未曾有の利益さえ計上するに至っている。


然しアメリカの財政経済の危機状況はむしろ悪化の一途を辿り続けている。イラク状勢の長期化・原油の値上がり・輸入超の経済構造等である。


アメリカは日米構造協議を機にかねてから対日年次要望書を突きつけてきていて、毎回郵貯簡保の自由化を要求し続けて来ていた。(詳しくは6月24・25の日記)


アメリカにとって日本の郵貯簡保の「340兆円」はその中でも目玉として「喉から手が出るほど欲しい」魅力的な「食い物」なのだ。


小泉―竹中政権はアメリカ政府の意を受け、低金利政策の継続と郵政民営化を唯一と言って良い位の政策課題としてきた。


特に竹中さんは政権入りの経過からもアメリカの手先として送り込まれた人物と考えられる(5・11日記、8・20日記)。


99年以降、約6年に亘る長期の低金利政策は日本の経済に様々な歪みを生じさせた、その最たるものが「格差拡大」と「庶民生活の破壊」である。


年金生活者・庶民には僅かな蓄えにも利子も無く、将来不安は増すばかり、銀行の「ペイオフ実施」と「郵便局の預け入れ限度額削減」のダブル・バッドニュースは決定的に庶民の不安を掻き立てるものとなった。


そこへ株を巡る連日のテレビ・新聞の報道は、何百億、何千億と言う「錬金術」のような話題ばかり、「株」をやらないものは時代に遅れる」とでも言わんばかり。


インターネットで簡単に株取引ができる「ネット株式取引」が、主婦層・若い女性までを引き込んで連日活況を呈するまでに広がりを見せていると言う。


然し所詮今の株は「バクチ場」の世界、巨大な外国資本が牙をむいている、庶民の金が流入した頃を見計らって高値で売り抜けて「後は焼け野原」の世界なのだ。


既に大口玄人筋は手仕舞いに入っているとも聞く、外国資金は実に貪欲で逃げ足も速い。
小泉―竹中政治は「株取引」を囃し立てて、日本人の庶民の小金までを彼等に捧げ尽くす気のようだ。


(写真は巣鴨「とげ抜き地蔵」正門付近)