唯我独尊の「精神主義」


このノモンハン事件の実態を、軍は威信低下を避けるため、国内に対しては真相を隠し通した。新聞はノモンハンでの日本軍の圧勝を報じていた。


尚且つ、指導部は敗北の責任を参加将兵の無能と臆病、および政府の非協力に帰し、参加将兵に緘口令をしいた。一般の日本人が敗北の事実を知ったのは、「太平洋戦争」敗戦後になってからだった。


従って、この唯我独尊の「真相隠蔽体質」はその後の日本軍のノモンハン事件から続く日中戦争大東亜戦争へと引き継がれていく。


生前、作家の司馬遼太郎さんは、「ノモンハン事件は、実に精神衛生上好くない、もしこれを書いたら自分はきっと気が狂ってしまう」と仰っていた。


司馬さんを発狂させるほど、日本軍、及び日本の指導組織の中に既に「敗北の萌芽」が根付いてしまっていたと言う事なのだろう。


明日はそのあたりをもう一度検証しておきたい。



(写真は横浜・ランドタワービル周辺)