新権力者


マッカーサーの最初の指令は、「民主化の第一歩」として、日本政府に対し「民権自由に対する指令」を出した(9月22日)。


更に、「民主化の5大改革」を指令した、その要点は①婦人の開放②労働組合結成の奨励③学校教育の自由主義化④秘密諮問司法制度の撤廃⑤経済制度の自由主義化であった。


天皇がGHQにマッカーサーを訪問したのは9月27日だった。「私は戦時中に決定した総ての決定と行為について全責任を負います」と発言したと言う。


その時の写真がGHQから新聞発表されて日本国民に大衝撃を与えた。マッカーサーは、腰に手を当て気軽に立っているのに、天皇が神妙な表情で立っている写真は、国民全体に「敗戦」の現実を突きつけるに十分な衝撃的なものだった。


マッカーサーの指示は戦争犯罪人逮捕、獄中の共産党員等500名の釈放に続き、軍令部・参謀本部廃止、財閥解体、陸海軍省廃止、農地改革指令、軍国主義者・超国家主義公職追放日本国憲法改正公布へと進んだ。


当時、国民は敗戦の虚脱状況から徐々に戦争の真実を知り、アメリカ的自由や民主主義を知り、廃墟の中で次第に将来への希望をも持ち合わせて行くのであった。


(写真は東京・多摩・高尾山登山ケーブル駅付近)