狩猟民族は「バクチが得意」


黒の紳士のボーイ(と言っても中年を超えた一見紳士)が素早く(然しさりげなく)近づいて来てこちらの差し出す札をコインに両替して持って来てくれる。


ルーレットは何台かあって周りを客の何人かが取り囲んでいて、その夫々の器械は黒紳士の一人が「指先で器用に回し」、矢印の止まった所が「当り」である。


メンバー達が銘々に自分の掛け金をルーレットの前に置く、それが賭け金となる。当らなければ「没収」、当れば「場の掛け金は総て頂き」となる。


客層・年令・性別は、世界各国・白・黒・黄色様々で、その中でも、実に知性的で上品なドイツ人ご婦人や、一見して「アラブの王族風」の大金持ちがパイプ片手にくゆらせて(こちらは大金を賭け)悠々と楽しんでいたのが印象的だった。


さて端的に「賭けゲーム」の結果を記す、当初我々は「偶然」だろうがうまく「当った」のである、(今振り返ってみるに、最初はうまく乗せられたのに違いない)。


調子に乗っている内に結果的には、全員見事に「すってんてん」に負かされ、ホテルに帰って来たのである。



(写真は東京・日比谷公園冬の花壇)