「アメリカの占領」を助ける政治


残念ながら日本は「戦争」からも「敗戦」からも、何も学んではいないように思えてならない。


最近、堀栄三氏著「大本営参謀の情報戦記」を読んだ。「情報なき国家の悲劇」と副題にある。(文春文庫出版)


情報を全く持たず軽視して、日露戦争感覚で「日米戦争」に突入し、敗退を喫した日本軍の中枢「参謀本部」にあって、「情報によって敗退した日本」の悲劇を第三者的冷静な筆致で記録されている。


それによれば、アメリカは既に大正10年から「対日戦争」を想定し、日本壊滅作戦を研究していた、とある。


巻末の作家保坂正康さんの解説によると、この書は、敗戦後、郷里で百姓に戻り「黙して語らず」の堀さんを幾度も尋ね説得し、ようやくにしてこの出版に至った由。


久々に「良書に出会」った感じを持っている、と同時に今の日本経済の惨状は「第三次敗戦」、正にアメリカによる「第三次日本占領」だと感じている。



(写真は京都・南禅寺