「上流社会」と「下流社会」

okamakoto2006-01-15



昔30年程前に銀行勤務をしていた折、お客さんを差別する事は絶対に許されなかった、例え「1円のお客さん」であっても決して差別しないと言うのが我々の常識であり、鉄則であった。


ところがどうだろう、最近の大手都市銀行には大口顧客用に特別の豪華な出入り口があって、そこでは支店長自らが応対をして大口客を丁重に扱っているようだ。


昔、アメリカの銀行に、一般客とは別に「ハイ・ソサイテイ用」の窓口があって仰天していたものだが、日本も負けず劣らずアメリカと同じ状況になったのだ。


都市銀行では予め高額所得者のリストが作られ、その対策チームが組まれていて、支店ではその取り込みと、囲い込みに躍起になっているのだと聞く。


預金だけではなく有利な資産運用から投信販売、将来の相続税対策に至るまで、運用資産「3億以上」或いは「5億以上」の大口客層に絞って特別の応対をしているようだ。


「勝ち組」、「負け組」の不穏当な差別語に不快な思いをしていたら、最近は、「上流」「下流社会」なる言葉が出て来ているようだ。


事実、近年の日本には桁違いの富裕層が多くなって来ているのだ、(先日も記したが)外銀系調査では「世界の億万長者」のうち、実に「6人に一人」が日本人との調査結果が出ている。


それによれば1億以上の金融資産(預金や株式で不動産は別)保持者が134万人に達していて、家族をいれて約500万人が富裕層に該当するのだと言う。


一方、金融広報中央委員会日本銀行)調べでは、貯蓄ゼロ世帯が増加傾向にあり現在約23%もいると言う。
国民生活基礎調査(公正労働省)によれば、日本人の世帯で約3割は年収300万未満だと言う。。