IT産業を決算書で見る


実は、ライブドアや他のIT産業なるもののBS(貸借対照表)PL(損益計算書)を見ていて、(一銀行員経験者として)昔だったらとてもこんな企業は銀行から相手にされなかったのではあるまいか,と感じている。


ライブドアの場合、近時点(平成17年9月)のPLでは、年間売上92億、営業損失21億、特別利益59億で何とか最終税引き前利益8億計上である。


一方、BS資産合計は1831億(うち流動資産928億、固定資産約900億)、負債勘定36億、資本勘定が1794億と大きくなっている。(資産のうち長短貸付金650億・未収金136億)


BS資本勘定1794億(資本金862億、資本準備金904億)は営業PL規模100億前後から見て実に効率の悪い事業である。(決算書は公表されている数字を基にした)他のIT企業も大体が似たりよったりである。株式市場でITの評価が高いのは自分には解せない。


今の日本のIT産業は、独自の技術はさほどなくて、「株」と言う「私製紙幣」を発行して広く資本を集め、その資金力で目ぼしい「実業を買い占め」て手中に収める言葉は悪いが「乗っ取り屋」にすぎない、ように思う。