会員第一号

okamakoto2006-02-26



KZさんは或る製薬会社の専務(後副社長)だった、一緒に職場で仕事をした事はなかったが、以前、銀行人事部次長もされていたので、KZさんの方が自分をよくご存知だった。


独立した事を耳にされてか、ある日電話が掛かって来た、「君も、何れ会社組織にするのだろう、その時は云ってくれ、自分も一口乗るから」と。


その事もあり、早速新宿の本社にKZさんを訪ね、豪華な応接室で、出来立てのリーフレットをお見せし、自分の構想を披瀝したりしていた。


KZさん、四方山話の末、「じゃー自分も、何が出来るか考えとくよ」と仰った、勿論その時はKZ専務の「単なる外交辞令」とばかり思っていた。


2―3日して留守居の妻の「伝言帳」に、KZさんからの電話があった由の記載があり、「何事か」と思いつつ電話を入れたところ「先日の件、うちで一口のるよ」だった。


実はこれが「会員第一号」だった、これは当然の事として「会社との契約」だと思い込んでいた。然しそれがKZさん「個人のポケットマネー」で、毎月銀行振込されていた事は、半年くらい経ってから初めて判った。


最初は「大会社と契約が出来た」と、妻にも誇り、自分でも自慢げにしていたのに、実際にはKZさんが、自分への「思い遣り」でなさっていた事だった。