「小さく生んで大きく育てる」
「折角のK先生からの案件だ、当社も応分の協力と出資も考える、然し会社と言うのは、小さく生んで大きく育てるものだ、資本は最初、1千万から始め、その上で大きくしていったら良い」、と。
最後に「まあ、ゆっくり工場見学して行ったら良いよ」と、担当部長に指示され、重要な打合せはお開きとなった。
尚、その席で新設の会社は、資本金は1千万、Sアルミから「3百万」の出資と、S社の担当は特需部、窓口は東京支社I氏等が決められた。
後日の事になる、K先生はその時は何も仰らなかったのだが、K先生にS社のT社長から「あの仕事は、一度は失敗する」だったそうだ。
事実、日を措かずそのようになったのだからT社長の慧眼(けいがん)には恐れ入る。