「金」と「女」


実はこの話には後日談がある、2年余り過ぎU市に仕事の都合で行った折、タクシーを駆って、かっての旅館前に立ち寄らせた折、そこは全く違った「新興宗教」の看板が掛かっていた。


隣家のお年寄りに亀さんの消息を聞いて二度びっくりした、お年寄りは、肩を狭めて言った。「お気の毒に、奥さんの死後に後妻に入った女の云うままに、家屋敷一切を売り払い、女はそれを持って出て行ってしまった」。


「旦那はその事の衝撃でか、山で首を吊って死んでしまった」と、「可哀想に、二人の子供は親戚に引き取られた」と言う。


亀さんは実は「気の善い男」だった、「持ち付けない金」が「女」で、身を滅ぼす事になったように思われてならない。


一方、その際に手伝ってくれた甥の方は、既に立派な「弁護士」としてT市にて法律事務所を構え「盛業中」なのである。


(写真は東京・江東・猿江恩賜公園の「紅白の梅」満開)