車社会がもたらすもの


ここで考えなばならないのは「車の作りっぱなし、売りっぱなし」に対する後追い的な公的整備が、逆に又車を呼び込むと言う「悪循環の連鎖」を起してはいないだろうか。


今回の駐車場大量整備(及び道路建設)も同じ愚を繰り返す事にはならないか、狭く資源のない国土で、百%輸入のエネルギー多消費型に依存して、何れ「油断」が到来したら一体どうなるのか。


又、公害撒き散らし累積が、環境問題や我々子孫にどう関っていくのか。「車社会」の行き着く先が、将来どのような結果を招致するかを見据え、誤りなきを期すべきだと思う。


かってアメリカが急速に車社会に入った際に、鉄道など大量輸送機関がほぼ壊滅状態となった、現在我国でも似たような変動が静かに進行しているのは見逃せない事態だ。


国鉄の分割・民営化は一定の成果を挙げたとは言え、反面、公共交通から取り残された地方では、バスが衰退に喘ぎ過疎化に一層の拍車がかかっている。


一方、都市部では渋滞が日常化して、特にバスが定時性・迅速性を失い、疲弊の極に達している。その上で市街地に大量駐車施設を増設すれば道路は身動きできない事態に追い込まれかねない。