昭和一桁「働きバチ」

okamakoto2006-07-05



敗戦の廃墟の中から立ち上がり、「働け」「働け」、「皆で働けば会社も良くなるし、国も豊かになる」と(少なくとも自分達昭和一桁台は)そう思って懸命にやってきた。


その甲斐あって昭和の前半で日本経済は驚異的発展を遂げ、アメリカに次ぐ経済大国に到達した、この目覚しい発展振りは世界から奇跡とさえ謳われたものだが、畢竟日本人の持つ生真面目さ、助け合いの成果だと思う。


敗戦から既に来月8月で丁度満60年を経過する事になる、古来60年を経ると「還暦(かんれき)」、或いは「本卦(ほんけ)がえり」とも言われる。


自分達がかって「明治・大正」を「過去の歴史」と感じた如く、圧倒的多数となる次代を担う若い人々から「昭和も遠くなりにけり」、「飢餓」・「敗戦」・「戦後体験」は、やがて歴史の彼方に消え去って行くのかもしれない。


還暦を期に一つの世代が了(おわ)り、バトンを次の世代に引き継ぐものだとすれば、還暦を機に我々戦中世代として、貴重な過去を検証・総括した上で次の世代に幾ばくかの事を語り継いで行く責務があるように思う。


「自分達の世代がやって来たことは、これで間違いなかったのか」、「次の世代に言い残す事があるとすればそれは何なのか」、「戦中戦後の実体験で引き継ぐべきものは何か」等である。


幸いと言うべきか、自分自身は農村育ちだったが、東京・名古屋始め幾つかの都市を転勤しサラリーマン経験もしたし、起業して会社経営もやり、その際身近に政界や官界ともお付き合いをさせて頂いた、又その裏側も見て来た。


個人的人生とすれば得意絶頂の時期もあったし、一転、どん底をも体験した、それこそ天国から地獄まで波乱万丈の生き方をしたと思っている。そのせいか社会的正義感と弱者への思いは人一倍強くなったと思っている。


80年に北欧・ヨーロッパを手始めに、その後何カ国かを見聞きする機会にも恵まれた、最初の訪問国がスウエーデンだったせいか、「国民の幸せを徹底して追及し続ける」この国のあり方は、現在の日本とは正に対極に位置するものとの感を強くする。