「北朝鮮」に「戦前の日本」を見る

okamakoto2006-07-10



先週、北朝鮮が突然七発の「ミサイルを発射」した事で政府・マスコミはこぞって北朝鮮への非難と制裁措置の大合唱、正に日朝間は「戦争前夜」の最悪の様相である。


日本政府では早速「国連安保理」に「北朝鮮非難決議案」を議題として提起した、アメリカが日本に足並みを揃え、支持表明、決議されると一挙に「制裁手段」に入る構えである。


多分、今の日本の「世論」と言われる流れには逆行するのだろうが、現在の「北朝鮮の置かれた状況」は70年前の「戦前の日本」と、どこか似通っている面があると感じているので、一言。


昭和8年2月24日、(国連の前身)「国際連盟」は、中国に於ける日本軍の行動は「問題あり」として、「調査委員会」を設け現地調査をした、その結果は「リットン報告書」として総会に提出された、総会での審議は圧倒的に日本の非を認めるものとなった(賛成42ヶ国、反対日本のみ1、棄権1)。


この採択の結果を受け、日本代表松岡洋介(後の外相)は、憤然と国際連盟の議場から退席し、世界に背を向けた。直後の3月27日国際連盟から正式に脱退してしまったのである。


日本はこれを期に国際的「孤児」となり、その後一瀉千里に太平洋戦争に突き進んで行く、そこまで日本を追い詰めたのは欧米の経済封鎖作戦ーアメリカ等のABCD日本包囲網である(ABCDは米英中蘭の略)。


資源の無い日本はアメリカによる「鉄鋼石・石油禁輸」、更には「日米通商航海条約破棄」で追い討ちを掛けられ「真綿で首を締められる」状態で、「窮鼠ネコを噛む」、「一か八か」の「対米英戦争」に打って出たのである。


今日、立場は変り、非難され国際的孤児になりつつあるのが「北朝鮮」であり、それに対しアメリカと気脈を通じ、先頭に立って追い込んでいるのが他ならぬ「日本」のように思う。