戦争体験記


実は、最近幾つかの本を読んでいる、「徹底検証―昭和天皇独白録」<大月書店>、「知られざる日米安保体制の守護者昭和天皇と冷戦」<雑誌「世界8月号」>、「私の戦争体験記」谷沢芳男氏<山梨県笛吹市春日居郷土館出版>等である。


先ず、谷沢芳男氏の「召集四回・私の戦争体験記」だが、生々しい氏の召集での体験が記載されている、著者の谷沢氏は一兵卒として召集を受け、満州・中支(南京)戦線、フイリッピン、敗戦直前の本土防衛にも参戦している。


特にフイリピンでは「バーターン半島死の行進」の原体験者だ、敗戦後B・C級戦争犯罪として即決で日本の多数の将兵が銃殺された、フイリッピンでも日本軍と米連合軍との生き地獄の攻防戦が展開された。


「物量を誇るアメリカ兵は夜間も間断なく砲弾を打ち込んできます、、砲弾がジャングルの中で炸裂する。死傷者が続出、残った兵も睡眠不足とマラリアの高熱で疲労困憊の極に達していました、胸部や腹部を貫通された重傷患者も多く正に生き地獄でした。(原文より)」


追い詰められたアメリカ兵が最後に大挙して白旗を掲げ降参して来た、捕虜の集団を少数の生き残った日本兵が徒歩で下山させたのが「何故これらの兵をトラックで下山させなかったのか」と、敗戦直後「俘虜虐待、バーターン半島死の行進」として世界中に「非人道国日本」として報道された。