表に出難い「内奏話」


天皇の国内での政治的発言は主に大臣の天皇への「政務報告」−「内奏時」に行なわれるようだ、73年5月の増原防衛庁長官が四次防内奏の際に「日本の自衛隊がそんなに大きいとは思えない、しっかりやってほしい」と述べている。


又、中曽根首相が「日本列島不沈空母発言」で世論の批判を浴びていた折には、「世の中には色々な考えがあるようだが、対米関係を改善してよくやって来た、身体を大事にしてしっかりやりなさい」と、天皇に誉められた(中曽根回想記)。


天皇との会話は「口外しない」が「不文律」で、外務省・宮内庁からも一切秘となっているが、アメリカでは情報は細大漏らさず本国に報告され、関係政府機関で共有され、分析され、ストックされて常時対内外国家戦略に活かされていると言う。


天皇は歴代アメリカ政府筋からは「知識が豊富で、国際情勢についても鋭い感覚を有し、よく知っている」との評価を得ていたそうである。