「戦争の愚かさ」を伝える役割

okamakoto2006-08-15



最近の幾つかのNHK特番報道には教えられることも多く、「NHKの存在感」を心強く感じている、「情報化時代」で、民意はマスコミによって作られるといってよい、マスコミといっても、その中でもテレビの影響力が圧倒的に強力である。


民放局は視聴率競争の結果として、低俗化・愚民化の傾向が強まる一方、その中で、NHKは本来あるべき公共放送の役割に回帰しつつあると、期待を込めて心強く思っている。


中でも「NHKスペシャル」や「クローズアップ現代」「公開討論番組」等は、公共放送NHKならではの「王道」を目指すものとして高く評価をしている。


終戦61年目に当る8月15日を中心にNHKは各種の特別番組を組んでいた、中でも8月13日午後9時からの「何故戦争を拡大したのか」は、多方面の資料を発掘駆使して大変貴重な番組であった。(この番組は17日午前1時から再放送される由である)


昭和初期の「日中戦争の泥沼化」が、その後の日米戦争への要因になるのだが、昭和12年7月7日盧溝橋事件から「南京占領」・「南京大虐殺」までを当時の生き残り日本兵等の証言を入れ克明に報道された。


上海攻防戦に当ったのが、日本軍の中でも名うての強力軍団「九師団」で、本部は金沢にあった。然し放送にもあったが、「九師団」は中国軍精鋭の前に苦戦を強いられた。


これには蒋介石に支援を頼まれたドイツ・ヒトラーが中国軍を鍛え、且つ中国に最新式の兵器を密かに送り込んでいたのだ、「九師団」はこの中国軍と対戦し大損害を出した(戦死者667名)。


自分の出身地も九師団所属の地元で、当時は未だ小学校入学早々だったが、地元小学校講堂で続々と戦死者の遺骨を迎えた記憶が未だに鮮明である。


然し、この「宣戦布告なき戦争」は、当時の近衛内閣の「不拡大方針」に反し、軍部が独走し、遂には「南京占領」まで突進してしまったものであった。


京城を死守し、最後に軍服を捨てて「便衣(民間人の服装)」に着替えて逃走した中国人(容疑者)を狩り集め、中央司令部の命令で銃殺したのが後の「南京大虐殺」であった。