「失敗の中にこそ財産がある」


たまたま昨夜(24日)のNHK[クローズアップ現代]でサッカーの日本代表団新監督に就いた「オシム氏」の次の言葉を耳にして「ハッ」と胸を打たれた。


「敗ける事には意味がある」、「失敗する事は決して恥じる事ではない」、「その中にこそ多くの教訓と財産があります」、「それを生かすことが大事なのです」、オシム氏からの押し出された「一言、一言」だった。


バルカン半島に位置するユーゴはチトー大統領時代には社会主義国として統一を保っていたのだが、80年チトー大統領の死後約10年に亘る悲劇的内戦で国家は分裂してしまった。オシム氏は当時ユーゴの名監督として国家的英雄であった。


元々、ユーゴは「7つの国境」、「6つの共和国」、「5つの民族」、「4つの言葉」、「3つの宗教」、「2つの文字」、のモザイク国家だった。


然し、91年スロベニアクロアチアが独立宣言したのを切っ掛けに旧ユーゴスラビア共和国は四分五裂してしまった、「コソボ紛争」等で悲惨な長い内戦は当時大きな国際問題となった。


この紛争時には、多数の国民が死傷し、飢餓線上をさまよった、当時オシム氏も家族も離散し音信不通の期間も長く、苛酷で貴重な経験を経て来ている。