戦争は人間を「狂気」にさせる「マシン」


奥村さんが先ず向かったのは中国・山西省の山奥にあった「初年兵教育現場(処刑場)」であった、ここで奥村さんは自身の重大な告白をする。「自分はここで見も知らない中国人を刺し殺した」、「然し、それを境に自分も鬼になっていた」と。


日本軍は初年兵教育の仕上げとして恒例的に「肝試し(きもだめし)」を行っていたと言う、「肝試し」とは「人殺し」である。


上官が兵を並ばせ、初年兵に次々中国人を殺させていたと云う、日本刀で中国人の首を切り落とすか、銃剣で刺し殺させた。刺殺者の中には女学生もいたと云う。


上官の命令ながら、「かっ」と睨みつける相手を、身体は震えとても正視して突進することはとても出来なかった、と彼は告白する、然し同時に彼は「人間は人を殺してから『鬼』になって行く」と言う。