狂気の世界「戦争」


蟻の兵隊」の中で奥村さんが述懐しているように、奥さんや家族に戦時中の自身の「殺人の事実」を語ったのも、他ならぬ中国人被害者家族の言葉に打たれたからだった。


戦争は狂気の世界なのだ、実際の戦場となった国が最も悲惨な被害を受ける(今のイラクの現状もそうだ)、反面加害者(侵略者)側では一刻も早く忘れ去りたい所であり、余り触れたくない事だ。


日本では学校教育でも過去の加害(侵略)の歴史は余り教えないし、教わりもしない、自分達戦争世代も、皇国史観は教わったが、今まで世界史的視点での日本近代史には不勉強だったように思う。


一方、戦場となったアジア諸国では戦争被害の事は次代にもしっかり教えられ引き継がれている。特に日本軍の直接の被害国中国では身近な出来事として伝承されている、彼等にとって、日中戦争は決して過去の出来事ではない。


そのようなギャップは大きいし、埋めて行く努力をしないと何時までも隣人同士で不幸な状態が続き、日本も世界・地域から尊敬されないし不測の事態を招き兼ねないように感じている。



(写真は東京・港区・水辺の風景)