悪いのは誰か


それにしても悪い時代だ、実は「今の政治や政治家が悪い」、と言うと妻からたしなめられるのが常だ、その事になると二人の意見が対立するから、出来るだけ「政治批判の話題」は避けるようにしている。


さて、政治家と言うとK先生の事を思い出す、先生は自分が独立創業した折に大変お世話になったの恩人だが、こんな事があった。先生にお願いしてある中央官庁に陳情に行った折の事だ。


帰りに先生にお礼の気持ちを用意して来た封筒に込めてお渡ししようとした時であった、先生からこっぴどく怒鳴られた。「わしは金のために動く男だと思うか」、「君の仕事が世の中の為になる事だから力になっているのだ」、と。


先生は役人出身の政治家ながら、「馬鹿正直の効用」という本をお出しになったほど真正直であり、常に「正義の味方」であり、「天下国家」のことを考えておられた。後に大臣まで勤め上げられた方だが、残念ながら約十年前にお亡くなりになった。


今の政治家で、実際「カネ抜き」で政治や国を考えて居る方がいるのであろうか、K先生が今の政治をご覧になったら一体どう仰るのであろうか、最近しみじみとそんなことを思う。




(写真は東京・或る「ウオーターフロント」風景)