米田家の系譜

okamakoto2006-10-25



現在、「町内一のボス」として町内を牛耳り、最も他から怖れられる存在の「米田家」も、元を正せば数世代前に英田家を飛び出て一家を成した、いわば「新興成り上り者」の系譜である。


本家の「英田家」は歴史も長く格式も高い名望家で、それだけに下級階層からは階級社会に対する反感や不満も根強く存在した。その不満分子が家を飛び出し、新天地を求め一家を成したのが新興の「米田家」の成り立ちだった。


新天地では英田家を反面教師にして、「しがらみ」のない「実力本位の家風」としたことが米田家急成長のベースとなった。米田家の「自由・博愛・平等」は不変の真理と受け止められ説得力もあった。


ところが近年の米田家は、親切心が嵩じ、「親切の押し売り」を始めるようになった。これは「自信過剰」と「慢心」の然らしめる所だろうが、『グローバリズム』として他家にも押し付けようとするようになった。


町内の他家に突然入り込んで来てケンカとなり誤解を招くことも再々ある、最近では「苛句家」へ押し入り、これらの事が米田君への反発ともなり「町内不協和音の元」となっている。


実は一昔前までは、このような米田君のやり過ぎや、ケンカの制止役は「英田君」が買って出ていた、「自分こそ米田家の本家であり、暴走を止めるのは自分しかいない」と。


然し、「英田家」もかって程の栄光はないだけに、米田君の方が聞き入れない、米田君には「挫折や負けた経験」がなく、「弱い者の気持」も判らない。今までが余りにも「順風満帆」だっただけに、「力が総て」の思い込みもある。


「栄枯盛衰」が歴史の必然だとすれば、米田家の将来も又磐石とは言えないのではあるまいか、同時に「恵まれぬ」と悲観したり、まして絶望してはならない、と言う事ではあるまいか。