若い頃の暗記力

okamakoto2006-12-15



過日、ご夫婦で世界各地を歩かれている日頃尊敬する同輩Iさんと酒を酌み交わす機会があった(最近、アルジェリア・リビヤ・チュニジアを旅された)、その折の酒席で、I氏は長文の漢詩を「すらすらと吟じられ」て驚嘆してしまった。


更に、感心して聴き入っていた自分の求めに応じ、幼い頃に覚えたという「孔子論語」や、好きな「中原中也の詩」等を次々と披瀝され、その記憶力には敬服するしかなかった。


聞けば小学校時代の担任の先生から「意味が解らなくて良い、兎も角、学校ではしゃにむに暗記するのだ」、と教えられ、その後の中学時代(旧制)でも徹底的に難しいフレーズを自分の頭に叩き込むのが習慣になったのだと言う。


人間の「脳みそ」は、幼児期に詰め込めば詰込むほど容量が増えていくように思う、年と共に吸収力も落ちて、後半では劣化する一方だが、若い頃吸収した知識は脳髄に溜め込まれ、数十年経ってもほとばしり出るものらしい。


従って、若い世代に、きっちりと「学ぶ習慣」を身につけさせ「人間としての基本」を教え込むのが小・中学校9年間の「義務教育」だろうと思う。ゆったり無為な時間を与えていく事は若い人達への決して思い遣り・親切ではない、と思う。