競争「勝ち負け」社会


市場経済では全員が勝者になる事はあり得ない、「勝者」があれば必ず「敗者」も出て、当然の事ながら貧富の格差もでる、格差が大きくなると敗者には厭世気分も漂ってくる、家庭崩壊や子供の暴走化の社会現象にまで及んでくる。


健全な社会では、そうならない為、法律・諸制度(特に税制・社会保障制度)で格差を是正し、弱い人にも目配りしながら、勝者には相応しい負担増を求め、調和を保ち社会的公平感に細心の留意を払っている。


政治に公平感があれば救いもあるし、納得感も出るのだろうが、今の現象はどうだろうか。国が「戦に負けた事」だけだったら、同じ第二次世界大戦を戦い敗れたドイツはどうなのだろう。


ドイツは第一次世界大戦に続いて敗れたにもかかわらず、かっての敵国フランスやイギリスを含め「EU」を立ち上げ、今や立派なヨーロッパ27カ国のリーダー国となり、世界から尊敬される国となっている。


それに、日本も必ずしも「昭和が総て悪かった」とは言えないように思う、敗戦から約半世紀の間は曲がりなりにもアジア諸国から尊敬される国だった。マレーシアのマハテール首相が「ルックイースト(日本を見習おう)」と言ったのは僅か10余年前の事だった。


「金で買えないものはない」と言い切った「俄か成金長者」がいたが、「市場経済社会」では大体が「カネ」で解決する仕組みである。競争社会では力(カネ)のある者が勝ち、弱い者が負けるのが当たり前なのである。


格差社会の結果と言えるが、それにしても人間の基本にある道義心とか、心までが「ガタガタ」とささくれ立ち、脆くも瓦解したとすると、一体何故なのだろうかと考え込んでいる。



(写真は静岡県伊豆半島下田駅前」)